浪人決断後、まず頭に浮かぶのは予備校に通うことだと思います。
大手の予備校は有名大学へ多数の合格実績があり、全落ちや志望校不合格で傷ついた心を癒してくれるのに十分な信頼感があります。「寄らば大樹の陰」は間違った選択ではありません。
ただ、夏が過ぎたころ、思ったように成績が伸びないため相談にいらっしゃるご家庭のほとんどが、全日制有名予備校(S台・K塾)に通学されている生徒さんであるというのも紛れもない事実です。
予備校は「一定の学力がある生徒さん(上位2割の方、選抜で上位クラスに入学された方)」にとっては、志望校合格のための最良の教育機関となりえますが、それ以外の方にはお勧めできません。
予備校は成績上位層にとって研鑽の場となりえますが、その他大勢の生徒さんはいわゆる「お客さま」になっており、志望大学はおろか、その下のランクの大学にも不合格となってしまうことも多くみられます。
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高等学校の授業同様、志望校の出題傾向に直結しなかったり、自分のレベルに合わない講義や模試等、時間とお金の無駄が多い
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生徒さんの現在の学力を判断し、苦手分野を克服させること、並びに、志望校に特化した対策(過去問つぶし等)が全くないか、あったとしても多数の生徒を抱えているため手薄である
3
予備校のカリキュラム上、7月までに全科目1周し、それ以降は復習・演習となるため、個人の弱点や苦手科目を補強する機会に乏しい
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講義形式なので、講師の名講義(「今でしょ!」など)を聴いているだけにもかかわらず、自分で勉強ができるようになった気になり、成績は上がらないままである
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無選抜クラス、あるいは、選抜クラスでも下位クラスに行くほど、講師の質が下がるのが一般的である
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予備校テキスト主体の勉強になるため、入試直前に心のよりどころとなる「やり切った」参考書や問題集を持てない
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クラス担任やチューターは相談に乗ってはくれるものの、講義の現場を知らない予備校スタッフの質に疑問があり、学生アルバイトは個人の経験だけでものを言うので信頼性に乏しい
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孤独な戦いとなる受験勉強に不可欠なメンタル面でのフォローが乏しい
経済的に相当のご負担はあるものの、「家庭教師を主に、予備校を従にした受験勉強こそ、志望校合格への近道である」と断言します。
具体的には、家庭教師の学習カリキュラムに沿って勉強し、志望校に直結した模試のみ受験し、さらには、モチベーションを上げるべく季節講習会を受講すれば盤石です。